モノのインターネット
モノのインターネットと仮想通貨

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現在、IT業界では仮想通貨と同じように、「モノのインターネット」というキーワードが話題になっています。

モノのインターネットとは、今、主流のコンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中にある様々なモノにセンサー機能や通信機能を持たせ、インターネットに接続したり、相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うというものです。

自動車の位置情報をリアルタイムに集め、渋滞情報を配信するシステムや、人間の検針員に代わって電力メーターが電力会社と通信して電力使用量を申告するスマートメーター、大型の機械などにセンサーと通信機能を内蔵して稼働状況や故障箇所、交換が必要な部品などを製造元がリアルタイムに把握できるシステム、消費者の購入記録や購入傾向をリアルタイムで追跡し、消費者の好みや流行が分単位で逐次集計されるインテリジェント自動販売機などが考案されていいます。

全世界のIoT(Internet of Things-モノのインターネット)市場は2020年に3兆400億米ドル(約350兆円)に拡大するという予測を米調査会社IDCが2014年11月に発表しています。この市場規模は、2013年に1兆3000億米ドル(約150兆円)でしたが、年平均13%ずつ成長し、約2.3倍になる計算です。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1411/18/news101.html

また、別の調査会社ガートナーの市場予測によれば、2020年にモノに埋め込まれる通信ユニットの数は、PCやタブレット、スマートフォンを含めない数字で260億に達するということです。

IoTとは、モノのデバイス化とも言えます。2009年の時点で、全世界ですでに約25億個のデバイスがインターネットに接続していました。当時のデバイスの多くは、PCやサーバー、携帯電話などでしたが、IoTの世界のそれは、現場の設備機器、私達消費者が日常的に使う製品へと広がりを見せ始めています。

スマートフォンなどのモバイルデバイスはもちろんのこと、テレビ、冷蔵庫、電子レンジなどの家電や自動車、健康器具、学習教材やおもちゃ、家具や食器、衣服、靴、ノート、ペン、小売りや流通におけるサプライチェーン改革としてのPOS端末、橋などの公共建築物にセンサをつけて耐震強度をモニタするといった社会インフラとしての活用などで、既に私達の生活に入り始めています。それは、テレビやデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルオーディオプレーヤー、HDDプレーヤー、DVDプレーヤー等のデジタル情報家電をインターネットに接続する流れを見ても強く感じられることでしょう。

電子レンジ例:
http://journal.jp.fujitsu.com/2014/07/07/01/?gclid=CKDj7_Lr1sICFUMHvAod_iEANw

その他:モノのインターネット例・現状
http://bdm.change-jp.com/?p=1677

「モノ」には「コンピューターを内蔵したモノ」も含まれますし、無線タグを付したモノのようにそれ自体ではコンピューターとは呼べないですが、別のコンピューターと情報をやり取りすることで間接的にインターネットに参画できるモノも含まれます。重要なのは、「コンピューターを内蔵したモノのネットワーク」あるいは「コンピューターとやり取りできるモノのネットワーク」とは言わずに「モノのネットワーク」と呼んでしまってよいほどコンピューターが見えない存在になっていく点です。これらは無限に広がっていき、この数字は地球規模でこの先、膨張を続けていきます。

IoTはインターネットの黎明期だった90年代に海外の学会で提唱されたのが始まりで、当時はまだ一部のサーバやパソコンがネットに接続し始めたばかりであるにも関わらず、将来はPOS端末や医療機器など多様な端末が有機的に接続する世界の到来が予測されていました。

そこから十数年をかけて、ネットワークやデバイスなど多方面で技術の発展があり、現在は大量のデータから新たな知見を得る「ビッグデータ」の段階に到達しています。多様なデバイスから集められたデータとサービスの組み合わせからもたらされるIoTの世界が本格的に実現しだすのはまさにこれからという状況です。もうかつてのような夢物語ではなく、少しずつ現実のものとなりつつあります。

企業にとってIoTはどのような意味を持つのでしょうか?

何よりも重要な点は、IoTが膨大なデジタルデータを企業に提供するようになるということです。それらは貴重なビジネスの「種」であり、ビジネスの成長やコスト削減、さらには新しい市場を創出するベースとなります。ガートナーは、2020年にその経済効果は1.9兆米ドル(約220兆円)に達すると試算しています。

IoTによるビッグデータの取得と利用は、スマート・ホーム、ホーム・セキュリティー、自動車、オフィスからも本格的に始まろうとしています。IoTの進展によって収集されるデータの量は飛躍的に増加し、それにともなってこのデータを効果的に処理、分析することから大きなチャンスが生まれ、ビジネスのあり方に革新が起きるでしょう。

その影響はドミノ倒しのようにあらゆる分野に急速に広がっていきます。そのインパクトは巨大です。ここが、IoTが、インターネットビジネスの世界で最後の秘境、新大陸と言われている所以です。

IoTはセンサーを含むデバイスを、ネットワークを介して統合して、デバイス間で情報を交換できるようにする技術も含んでいます。グーグル、Apple、ナイキ等がウェアブルコンピューターを開発しているのもセンサーを埋め込んだ端末からデーターを集約し、ビジネス利用を考えているからでしょう。

IoTはモノのインターネットと翻訳されますが、従来のインターネットのビジネスモデルが成立するとは限りません。IoTでは、デバイス同士をつなぐだけでなく、デバイスがインターネットを介してネットサービスを使うようになります。

これは、IoTに関連したもうひとつの重要概念のM2M(Machine-to-Machine)というものですが、人間を介在しない機械どうしのやり取りによりプロセスが実行されていくという考え方です。現在のコンピューターが処理するデータの大部分は元々人間が入力したものであり、多くのプロセスは人間が起動することで実行されます。

M2Mの世界では、たとえば、自動販売機自身が在庫を監視して補充が必要になった時に在庫管理のサーバに発注依頼を送信するなど(さらには出荷された商品の無線タグを読み取ることで自動的に在庫管理サーバの情報が更新されるなど)、人間の介在なしにデータの捕獲、そして、それに対するアクションが実行されます。

こうなってくるといまのネットサービスは、その利用者は人間であることが大前提になっていますし、GoogleやFacebookをはじめとして、その多くが広告で収入を得ていますが、モノのインターネットではビジネスモデルもがらりと変わってきます。

冷蔵庫とネットスーパーを組み合わせ、野菜や肉を切らした時に自動的に冷蔵庫がネットスーパーに補充のための発注をかけるといったサービスなら、広告を表示することも可能でしょうが、基本的には、IoTやM2Mではネット広告ビジネスは成立しません。IOTやM2Mで集めたビックデーターは、あらゆる企業の貴重なビジネスの「種」となりますので、ビックデーター提供会社は、データー提供者に少額の報酬を支払い、利用者も無料でデーターを提供するということは無くなっていくと私は思います。ビジネスの「種」となる情報なので、提供元の消費者にお金を少量支払って情報を貰うのが普通になってくるでしょう。

モノを売る企業は、販売価格にビックデーター分析によるビジネスで得る利益を考え、通常よりモノを安く販売することも考えられますし、別の方法としては、効果が上がってから、消費者にデーター使用料として仮想通貨によって支払うことも可能となるでしょう。ここに小額でも送金手数料がほとんどかからない仮想通貨の利点が生きるかもしれません。

売上などの成果が挙がってから、初めてユーザーへのデーター使用料料支払いが発生するため、極めて費用対効果の高い展開することができる可能性があり、アフィリエイトに変わる企業の売上増加を担う手段になる可能性もあります。マイクロペイメントは、寄付や個人間のチップだけではないのです。このような方法で企業から個人への小額支払いにも使えるでしょう。(これは、GEMSの広告視聴者にGEMZを還元する仕組みに似てますね)

また、ビックデーター分析の統計情報やサービスのオプション機能の切り売りにも仮想通貨は使えるはずです。きっと、モノのインターネット世界では仮想通貨は行き交うことになると思います。

モノには多種多様な種類があるように、仮想通貨も多種多様な種類があります。おもちゃからのビックデーターにはDogecoin、プライベート性の高いデーターを購入するにはプライバーシー強化型のコインというように使われる仮想通貨が変わる可能性もあります。

仮想通貨は、お金に関わること、生活、データー、ありとあらゆることに関わってきます。金融、スマートコントラクト、スマートプロパティ、DAC、さらにはモノのインターネット・・・まだまだ、仮想通貨の可能性を広げるものはあるかもしれません。無限の可能性が広がっています。

著者: davidtojp(管理人)
カテゴリー: インターネットと仮想通貨
日付: 12月 21, 2014
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