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Neucoin ホワイトペーパー要約

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Neucoinのホワイトペーパー簡略版(バージョン1)を日本語に翻訳しました。http://www.neucoin.org/en/whitepaper/

 

NeuCoinは、サトシ・ナカモトのBitcoin に由来するPeercoinから派生した分散型P2P仮想通貨です。

Peercoinと同様に、プルーフ・オブ・ステーク(以下、PoSと記載)はNeuCoinの合意メカニズムとして、ビットコイン等のプルーフ・オブ・ワーク(以下、PoWと記載)にとって代わります。そして、効果的にBitcoinマイナー(電気、コンピュータ)の運営コストを通貨を所有する資本コストに入れ替えます。

また、PoSは、最低コストの電気代とハッシュ率に基づくPoSマイニングによって、中央集権化に向かうPoW固有の傾向を回避します。

NeuCoinは、多くの方法でPeercoinと他の既存のPoS型仮想通貨に比較してセキュリティーを強化します。

(1)個々のステーク時間を切り換えるステーク修飾子パラメータを再設計、事前プログラム攻撃、研削攻撃を防ぐ。

(2)取引履歴上の継続的なコンセンサスを確保し、重複したステークと複数のブランチで採掘しようとするノードを処罰するクライアントを利用する。

(3)本質的により高いマイニング報酬およびより低い最小コインエイジによって、連続的に長期間にわたり、コインをPoSマイニングすることをノードに奨励します。そして、すべての攻撃に対しセキュリティを強化します。

NeuCoinのホワイトペーパーは、ビットコインコミュニティーのPoSは、「何もリスクがない」という異議について述べていて、NeuCoinの設計がどのように攻撃に対処しているかを数学的に示します。

ホワイトペーパーは、これらの欠陥を解決し、代替仮想通貨の可能性を強調するためにPoWデザインの欠陥の多くをレビューしています。

 

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)についての問題

仮想通貨コミュニティは一般にPoWの設計から生じるビットコインの欠点に気付きました:

1.セキュリティを維持するためには、長期的にはより高い取引手数料を課さなければならない見通しがあること。

2.マイニングの中央集権化と企業支配傾向の増加

3.マイナーとビットコインホルダー間の利害の相違

 

ビットコインのセキュリティとトランザクションのコスト

ビットコインマイニングのPoWは、マイナーが電気と計算能力を使ったソフトウェア・プログラムを実行し、「仕事」をしたという「証明」です。 ビットコインの合意セキュリティーは、マイナーによって費やされる計算能力の量に基づきます。より多くのリソースが費やされれば費やされるほど、ネットワークはより安全になります。

ビットコイン・マイナーは、コインベース報酬(マイナーに与えられる新しく発行されたビットコイン)プラス取引手数料を稼ぐので、ビットコインマイナーは、ネットワークを守るためリソースを消費します。

現在、毎日のコインベース報酬は約990,000ドル(3,600 Bitcoin、1BTC=275ドル換算)、および取引手数料約5,000ドル( 100,000回のトランザクション、0.05ドル換算)と等しく、1日あたり約100万ドルをマイナーに支払っています。

マイナーは、これらの報酬シェアを獲得するために巨大な計算能力を展開しています。また、ビットコインはそのため非常に高度に安全です。

今日、100万ドルが100,000の取引をするために、マイナーに支払われています。

それは、1取引につき10ドルのコストに相当します。現在は高いコインベース報酬は、システムがコストを支払っているので、ビットコインのエンドユーザーは、これらのコスト高の影響を受けません。

しかし、コイン・ベース報酬は時間とともに着実に低下していきます。4年ごとに半分になるように設計されています。そして、40年でほぼ0になります。

ビットコインのセキュリティーが低下しないように、マイナーへの報酬支払い総額は維持されなければなりません。

コインベース報酬は40年かけて低下していくと考えると、報酬を与え、今までの差を補っていくには3つの方法があります。

ビットコインの価格を上げること。取引量を増加させること。トランザクションごとの手数料を増やすことの3つです。

現在のレベルの1,000倍のトランザクションボリュームの増加が見込めない場合、仮想通貨の第一のメリットを害しますが、取引手数料はセキュリティーを維持するために実質的に上げなければならなくなる可能性が高いでしょう。

 

増加する中央集権化

ビットコイン初期のマイニングはコンシューマー用コンピューターを使用し、数千人の個人が行っており、非常に分散化されていました。

この本当のP2Pの性質はビットコインの核となる利点の1つであると考えられていました。

しかし、ビットコインの価格が高騰し、そのコインベース報酬の価値も高騰したので、マイニングを巨大な規模の経済性のある競争率の非常に高いビジネスに変えました。そして、コスト競争へ収束していきました。

ビットコインマイニングが急速に何千万ドル規模の少数のコンピューター会社によってコントロールされるようになり、現在、それらは地球上で最も低い電気代と冷却コストを持つ施設で稼働しています。

PoWマイニングの中央集権化は、非常に大きなセキュリティリスクになるので問題です。

ネットワークのコンピューティングパワーの51パーセント以上を制御する任意の実体(または一緒に作業する実体)は、ネットワークに深刻な被害を与えることができます。

さらに少数のネットワークをコントロールする高度に資本化された企業しかない場合、ネットワークは規制などの公共的支配に弱くなります。

政府は取引を処理する何万人もの地理的に分散しているマイナーへは傍観主義のアプローチを取るかもしれませんが、大規模にトランザクション処理を支配する少数の巨大なマイナーは規制するかもしれません。

 

マイナーとビットコインホルダー間の利害の相違

ビットコインマイナーは、現在、ビットコインホルダーとは大きく異なっています。ほとんどのマイナーは、電気代の支払いやより高度なASICチップを購入するために、稼いだビットコインを売却します。

現在、企業マイナーとビットコインホルダーは、Bitcoinの価格を増大させるために同じゴールを共有しています。なぜなら、マイナー収益の99.5%が、新しく発行されたビットコインであるからです。

しかし、ビットコインホルダーは将来的にコインベース報酬から取引手数料に収入がシフトしていってもビットコインの価値をまだ最大化したいと思いますが、しかしマイナーは、取引手数料やその他のソースから自分の収入を最大化することになります。

取引手数料はちょうど1つの問題です。マイナーにはビットコインのプロトコルのどんな変更にも拒否権を持っています。ビットコインマイナーと、コア開発者とホルダーの間でその力学がどう展開していくかを見通すのは難しいですが、マイナーが優位性を持っています。

 

PoWまとめ

Bitcoinは資金効率が良くありません。それは、ますます集中化しています。また、ネットワークをコントロールするマイナーは、ビットコインホルダーとは異なる利害を持っています。

ビットコインホルダーは自らの利益を守るために行動し、これらの基本的な問題を軽視します。ビットコインホルダーは、 「十分に安全ではない」、または主張の詳細や数学的な証明をすることなく「十分に分散化しない」などと競合技術を却下する傾向があります。

ビットコインホルダーは、チャレンジャーが生まれることを防ぐためにBitcoinのネットワーク効果が十分強いことを望んでいます。

NeuCoinはビットコインが価値の貯蔵として明るい未来があると信じていますが、最高の潜在的に実用性のあるものを開発し、大規模な採用に到達するために優れた技術と通貨の流通方法が必要と考えています。

 

プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の長所

2012年にPeercoinによって創始されたPoSは、上述のPowに関する3つの固有の問題に立ち向かうためにPowに代わるものとして登場しました。

PoSおよびPowの間に2つの根本的な違いがあります。

第一に、PoSにおいて、PoSマイナーは、費やされる電気とコンピューティングリソースの量でなく、所有されるコインの数に基づいて新しく発行されたコインを競います。

この決定的な違いは、効果的にコインを「株式」を保持するような資本コストに置き換え、Powマイニングにおいて発生する運用コストを排除します。

第二に、 (PoSでコインステーク報酬と呼ばれる)コインベース報酬は(ビットコインでは、1ブロックにつき25 )は、一般的に一定量ではありません。しかし、所有されるコインの数とPoSマイナーによって保有する時間の長さに比例します。これは、「利息支払い」に似ています。

これらの2つの違いに基づいて、PoSは、前のセクションに示されたPowに関する3つの問題を完全に解決します:

1.実質的にPoSには運営経費はなく、取引手数料はトランザクションボリュームに関係がなく、比較すると短期と長期の両方でPowよりはるかに低くなります。取引手数料がゼロを越える唯一の理由は、トランザクションスパムを防ぐことです。

2.コンピューティング・ハードウェアまたは電気のコストは関係なく、すべてのPoSマイナーは彼らの所有コインによって同じ利益率(「金利」)を得るので、PoWのようにPoSは段階的な集中化に苦しみません。

3. マイナーとコイン所有者は定義上全く同一であるので、利害の不一致が全くありません。

 

リスクが何もない?

これらの利点にもかかわらず、PoSは仮想通貨コミュニティに受け入れられませんでした。

「リスクが何もない?」のでそれが働かないという理由で、否定する人はPoSを退けます。否定する人は、PoSマイニングが外部の資源(電気、計算能力)を消費しないので、マイナーが負担するコストが全くないといいます。

だから、どんなに低い成功確率にも関わらず、誰もハッカーが無限に2重払い攻撃や多重分岐マイニングするのを防止できないと言います。

このスタンスは、PoSのセキュリティーがコストを持っていると認めることを怠っています。PoSは、コインを得て、所有するという資本費用が必要です。

PoSの最大の利点は、すべてのコインのオーナーをセキュリティ・プロバイダーに変えて、攻撃を試みるには、どんな攻撃者にも大量の通貨を購入することを要求するということです。そして、攻撃を与えるということは彼自身の富への攻撃になります。

PoW型通貨のコミュニティは、通貨供給の大部分の所有を必要としない恐ろしい攻撃も想定しています。それはブロック空間の研削攻撃、古い秘密鍵で履歴を書き換える攻撃、事前プログラムされたダブルスペンド攻撃です。

しかし、否定する人は、これらの攻撃がどのように実行されるかについて、決して説明せず、どれくらい成功確率が低いかを説明しませんでした。

NeuCoinはこれらの攻撃を詳細に分析しました。また、ホワイトペーパーでは、それらの攻撃がNeuCoinの設計によってどのように防止されるかを数学的に実証しています。以下の2つのセクションは、NeuCoinのデザインとPoSが攻撃に耐える方法を短く説明します。

 

NeuCoinのデザイン

NeuCoinはPeercoinによって作成されたオリジナルのPoS設計を改良し、セキュリティーを高めるために6つの変更を行っています。

1.マイニング報酬率:

NeuCoinは常時採掘されているコインのパーセンテージを最大にするために、マイナーのコインベース報酬を劇的に増やしました。そして、それはPoS型通貨のセキュリティー基盤でもあります。

NeuCoinの報酬は年利100%からスタートし、10年間で徐々に6%に減少していきます。これに対してPeercoinは1年当たり1%です。

 

2.最小ステークエイジ:

NeuCoinのデザインはPeercoinの30日に対して1.6日の最小のステークエイジを使用しています。これはマイナーであるコイン所有がコインを取得した1.6日間の後に報酬を得られる資格にすることによって、マイニング参加者を増加させます。

NeuCoin は、Peercoinのように30日待たなくても報酬を得られます。

 

3.マイニング方程式のコインエイジの役割:

NeuCoinは、ブロックを生み出す可能性を決定するためのファクターとして、マイニング方程式でコインエイジ(dayweight)を利用しません。コインエイジがあるとマイナーがマイニングの数日あるいは数週間後だけブロックを作成する見込みが発生する為、これは絶えずマイニングする誘因を失います。

コインエイジがある場合は、報酬の機会がより高い時だけマイナーは採掘するかもしれません。コインエイジを無くしたことによりマイニング参加者を増やします。

 

4.ブロック時間:

NeuCoinは、Peercoinの10分に対して、1分のブロックタイムを使用します。それはユーザ体験を改善し、いくつかの攻撃に対する防衛手段を強化します。

 

5.ステーク修飾子:

NeuCoinは、PeercoinのUTXO(ステークコイン)の与えられたセットのために最初のステーク間隔の後に永久にステーク修飾子を固定する方法より、BlackCoinの絶えず変化するステーク修飾子に適合させる方法を選びました。

Peercoinのデザインが事前プログラム攻撃に影響を受けると考えるので、これを選択しました。

静的修飾子を持つと将来の結果を予測することができます。修飾子間隔と選択演算子間隔は、実質的にステーク修飾子を通して粉砕攻撃の有効性を低減するためにBlackCoinとPeercoinの両方に対して大幅に調整しています。

 

6.重複ステークを罰する:

NeuCoinは、マイケル・ウィットラント(別名「sigmike」(Peercoinの中心的な開発者とNeuCoinの技術顧問))によって開発されるクライアントを使います。

それは、良心的なノードを拒絶することができる複製のステークを見つけるだけでなく、不正なマイナーによってブロードキャストされるすべてのブロックを拒絶することによって複製のステークをブロードキャストするノードを罰します。

この修正は、PoS設計がマルチ・フォーク上のマイナーマイニングによりコンセンサスに達しない場合があるという懸念に取り組みます。

 

NeuCoinのデザインは、どのようにトランザクション履歴への攻撃を妨げますか?

4つの次のパラグラフは、攻撃の各々のカテゴリーを簡潔に述べます。 詳細は完全なホワイトペーパーをご覧ください。

 

「シンプルダブルスペンド(シンプルな二重支出)」攻撃

これは、コインを使い、商人がコインと引きかえに製品または価値を与えたあと、コインを回収することから成る攻撃です。

二重支出を出力するのを成功させるには、攻撃者が利用できる通貨をかなりの割合で購入する必要があります。その時だけトランザクション履歴を書きかえることができます。

具体的には、攻撃者がメインブロックチェーンをフォーク(分岐)し、サイドブランチ(側鎖)がネットワークで動作しているメインブランチ(主鎖)よりも長くなるまで、伸ばせなければなりません。

ホワイトペーパーでは、全ステークコインの10%を所有している攻撃者が、ネットワークより速くこのタスクを完成する可能性は、100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000分の 1のチャンスしかないと想定されます。

彼らは所有する自分のコインを使い、1時間以内にそれを使い価値を引き抜かなければなりません。

仮想通貨を使用した大口購入は、トランザクションがネットワーク内で完了することを確認にするために1時間以上待ちますので、事実上不可能です。

 

古い秘密鍵を使用してトランザクション履歴を改竄

より重大な批評は、「古い秘密鍵」(すなわちもはや所有されないコイン)さらに、既にそれを売ってしまっている第三者によって所有されてる古いステークを使ってトランザクション履歴を書きかえる可能性に関します。

ホワイトペーパーでは、古い秘密鍵でのトランザクション履歴の初期の1ポイントでフォーク〔分岐点〕を作る時、攻撃者は、これまでに追いつくことができるようにその後ろで非常に多くのブロックを攻撃し始めるだろうと見ています。

さらに、ステーク通貨の30%の古い秘密鍵へのアクセスを持った攻撃者は、ステーク通貨の70%とブロックを生成するために競争するのではなく、むしろ攻撃者の出資比率は、主鎖で新しい所有マイニングを行うのでステークコインの100%と競争することになります。

結果として、すべてのコインの90%へアクセスしょうとする攻撃者は、上記の2重払い攻撃よりはるかに難しい確率を持っています。

 

研削攻撃

研削攻撃というのは、攻撃者が、主鎖を上回ることができるものを発見するためにカーネルを通して研削する計算能力を使用します。これはPoS型仮想通貨への最も重大な脅威です。

ホワイトペーパーでは、Peercoinがどのようにステーク修飾子を使用してこの脅威を覆そうと試みていて、また、NeuCoinがPeercoinのステーク修飾子パラメーターにした変更について議論します。

NeuCoinのデザインは、研削攻撃のコストを法外に高くします。成功するためにはステーク通貨を最低30%まで取得することを研削攻撃者に要求します。

 

事前プログラム攻撃

この攻撃は、将来(たとえば1年或はそれ以上)特定の時間枠の中で非常によく実行するステークのコレクションをまとめることが必要です。

Peercoinでこれは、与えられたステーク修飾子が静的であるということから非常に有力な攻撃になります。

NeuCoinの ステーク修飾子パラメータへの変更は、完全にこの攻撃を無効にします。

 

結論

ホワイトペーパーは、NeuCoinがサトシ・ナカモトのBitcoin自体に由来するサニー・キングのPeercoinのフォーク(分岐した通貨)であり、NeuCoinの慎重に構築されたPoSデザインを示しています。

ホワイトペーパーは、長期的により高い取引手数料を含んでいるビットコインのPoW設計のいくつかの欠点、つまり、マイニングの集中化傾向とマイナーとビットコインホルダー間の利害の相違を示しています。

さらにPoS技術が所有しているコインの数に基づき、マイナー報酬を与えることによってこれらの欠点をどのように解決するか、及び、どのようにマイナー報酬を所有しているコインの量と時間を比例するようにするかを示しています。

これらの変更は、長期的に低い取引手数料と分散型ネットワークの維持を可能にします。

ホワイトペーパーは、PoSに対するPoWコミュニティのいろいろな「リスクを負うものが何もない」という異議に反論します。そして、すべての一般的に引用された攻撃の方法が数学的にNeuCoinのデザインに対して失敗することを示しています。

Neucoinの設計は、多くの方法でPeercoinと他の既存のPoS型通貨に比較してセキュリティを強化しています。

結果として、NeuCoinの設計は、PoW型仮想通貨と初期のPoS型仮想通貨に対して、セキュリティおよび集中化問題、増え続けるコスト等を解決します。

このようにNeuCoinは、長期的に安全で、費用効率が高く、分散化されている、最初のピアツーピア通貨になるでしょう。

 

※本来、Posで行うマイニングは、発掘ではなく鋳造といい、英語では当初forgingを使うことが多かったです。しかし、最近ではマイニングという単語を使うことも多くなってます。NeuCoinのホワイトペーパーでもマイニングという単語で説明しているため、翻訳でもマイニングという単語で翻訳しています。

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