集中化したデジタル・コンテンツ配信プラットフォームよりも中抜きが無い分だけ著作権者側と購入者側の双方にとってDECENTを利用するメリットが大きい。
そこで現在のいわゆるメジャーレーベルクラスの人気アーティストがDECENTで公式配信する未来を著作権関連で想像（妄想？）してみたい。

従来のファイル共有ソフトでは一時放流者に代金を支払う仕組みが無かったため人気アーティストが公式配信するのは難しかった。
しかしDECENTではトークンを支払うことができるから公式配信が可能となる。
となると公式配信が1曲100円、違法配信が1曲10円のような状況が生まれるかも。

P2Pファイル共有ソフトの課題は匿名性を持たせるとWinnyなどのように著作権侵害事案が多発することだった。
違法配信収益は徹底的に資金洗浄されるうえに中国のような著作権の取り締まりの緩い地域で行われるから違法配信を行う者を捕まえるのは難しい。
となると違法配信と知りながら購入した者を現在の日本の法律なら2012年10月1日に施行された違法ダウンロード刑事罰（著作権法第119条第3項違反）で捕まえることでバランスをとるしかない。
現在の日本の法律では初犯なら略式起訴で罰金とかになるのだろうが、略式起訴するのも面倒なのでそのうちインターネットプロバイダー経由で交通反則切符みたいなのが届いて郵便局で反則金を払えば反則事案が終局する法整備とかが行われるかも。

違法配信なら1曲10円だがバレたら反則金5000円ならば公式配信の1曲100円を注意深く選んで購入したい。
購入者側が公式配信を選ぶことでしか違法配信を抑えられないだろうし、なにより中抜き無しで好きなアーティストに直接届くのならば100円をそのまま届けたい。
そんな妄想が現実になるレベルまでDECENTが成功して欲しい、集中化したデジタル・コンテンツ配信プラットフォームの妨害に負けずに。